乃木坂浪漫 ep99 12.09.19 衛藤美彩 × 萩原朔太郎『青猫』


乃木坂浪漫 ep99 12.09.19 衛藤美彩
开场白:市來玲奈
朗读作品:萩原朔太郎『青猫』

作者于大正12年发布的第二本诗集。

私の情緒は、激情(パツシヨン)といふ範疇(はんちゅう)に屬しない。むしろそれはしづかな靈魂ののすたるぢやであり、かの春の夜に聽く横笛のひびきである。
 それはあの艶めかしい一つの情緒――春の夜に聽く横笛の音――である。それは感覺でない、激情でない、興奮でない、ただ靜かに靈魂の影をながれる雲の郷愁である。遠い遠い實在への涙ぐましいあこがれである。
どこに私たちの悲しい寢台があるか
ふっくりとした寢台の 白いふとんの中にうづくまる手足があるか
私たち男はいつも悲しい心でゐる
私たちは寢台をもたない
けれどもすべての娘たちは寢台をもつ
すべての娘たちは 猿に似たちひさな手足をもつ
さうして白い大きな寢台の中で小鳥のやうにうづくまる
寢台の中でたのしげなすすりなきをする
ああ なんといふしあはせの奴らだ
この娘たちのやうに
私たちもあたたかい寢台をもとめて
さめざめとすすりなきがしてみたい。
みよ すべての美しい寢台の中で 娘たちの胸は互にやさしく抱きあふ
心と心と
手と手と
足と足と
からだとからだとを紐にてむすびつけよ
からだとからだとを撫でることによりて慰めあへよ
人と人との心がひとつに解けあふ寢台
かぎりなく美しい愛の寢台
ああ どこに求める 私たちの悲しい寢台があるか
どこに求める
私たちのひからびた醜い手足
このみじめな疲れた魂の寢台はどこにあるか。




Leave a Comment.